RPAコラム

稟議書や企画書の説得力を高める、RPAに関する調査データ活用のススメ

2019.03.13

客観的なデータを示し、RPAの必要性を訴える

新しい年度を迎えるにあたり稟議書や企画書の作成に取り組んでいる方も多いかと思います。その際、仮説の裏付けとして「市場動向」や「普及率」など客観的なデータを示すのは、説得力を高めるために有用です。

今回は、そのような場面で役立つ(かもしれない)、RPAに関するネット上の調査レポートや関連サイトを紹介したいと思います。なお、調査データの利用には費用がかかるものも多く、当然、その内容は充実していることが多いのですが、本コラムでは無料で公開され、執筆時点で閲覧可能な範囲で内容を紹介していますのでご了承ください。

無料で閲覧できるRPAに関する調査データ

『2018年版 中小企業白書』(中小企業庁)

http://www.chusho.meti.go.jp/pamflet/hakusyo/

中小企業庁が1年に1回定期的に発行している『中小企業白書』。アンケート調査結果に加え、生産性向上に取り組む中小企業の事例も数多く紹介されています。

2018年版の「第2部 第4章 IT利活用による労働生産性の向上」では、AI、IoT、ビッグデータ、RPAに関する認知度や活用率などの調査結果が紹介されています。

なお、同白書は全文がサイト上で公開されており、PDF版のダウンロードも可能。書籍としても出版されています。

『ITR Market View:RPA/OCR/BPM市場2018』(株式会社アイ・ティ・アール)

https://www.itr.co.jp/company/press/181025PR.html

https://www.itr.co.jp/report/marketview/M18001600.html

独立系ITコンサルティング・調査会社である株式会社アイ・ティ・アールでは、国内のRPA市場規模の推移および予測データを公開しています。同データでは、2017年度のRPA市場は売上金額35億円、前年度比約4.4倍となり、2018年度も同2.5倍と高い伸びを予測しています。さらに、市場規模は2022年度に400億円となり、年平均成長率(2017~2022年度)は62.8%と予測しています。

前年(2017年10月)に同社が発表した同様のデータと内容を比較すると市場の成長率は大幅に高まっており、前年度の予測以上に市場が急拡大している様子がわかります。

『2018年版 DX時代に向けた中堅・中小ITソリューション投資動向レポート』(株式会社ノークリサーチ)

http://www.norkresearch.co.jp/pdf/2018IT_user_rel3.pdf

IT市場専門調査会社である株式会社ノークリサーチでは、中堅・中小企業における「データ処理の自動化」および「RPA」に関連するITソリューションの投資動向を調査し、その結果を発表しています。

リンク先のPDFは報道関係者に向けたプレスリリースとなっていますが、広報的な概要だけでなく、「PC操作内容の記録による自動化の導入予定割合」や「データ処理の自動化における導入予定割合と初年度合計費用」、「RPA/自動化の全体像」といった内容がグラフや図などを用いて詳しく解説されています。

同調査は2017年版も公開されており、解説されている項目も異なるので、RPAやその動向をより深く理解するための資料としても役立つでしょう。

『2017 サービスロボット/RPA関連市場の将来展望』(株式会社富士キメラ総研)

https://www.fcr.co.jp/report/172q02.htm

情報通信やITインテリジェンスに関する実態調査とコンサルティングを提供している株式会社富士キメラ総研では、RPA関連市場に関する将来展望のレポートを発表しており、紹介ページでは調査対象や調査項目と合わせて、レポートのサマリーが掲載されています。

このレポートの他にも同社では、『注目されるRPAビジネスの動向』といったレポートのサマリーも公開しており、さらに『2018 ワークスタイル変革ソリューション市場総調査』『2018 デジタルトランスフォーメーション市場の将来展望』といったレポートにおいても、RPAに関する調査項目が設けられています。

「日本におけるロボティック・プロセス・オートメーション (RPA) に関する市場動向と調査結果」(ガートナー ジャパン株式会社)

https://www.gartner.co.jp/press/html/pr20171012-01.html

世界約100カ国に拠点を持つグローバルな調査会社として知名度の高いガートナー ジャパン株式会社では、「日本におけるロボティック・プロセス・オートメーション (RPA) に関する市場動向と調査結果」を発表しています。

調査は2017年5月に実施されたものとなりますが、RPA導入済みの企業の割合は全体の14.1%にとどまり、明確な導入の意思を持ち合わせていない企業が6割に達するという結果がグラフとともに紹介され、「ITリーダーは、まずRPAで今できることと、本テクノロジに対する将来の期待を冷静に整理し、効果的な利用に向けて準備する必要があります」とコメントしています。

市場データだけでなく、関連データの活用も有用

今回紹介した調査会社以外にも、IDC Japan株式会社や株式会社矢野経済研究所が発表した市場データを目にする機会も多いかと思います。両社に関しては、筆者が調べた範囲ではRPAに特化した調査データや公開レポートなどは見つかりませんでした。ただし、両社とも特定の分野やテーマに絞った調査の中でRPAの活用動向などについて触れられているケースは数多く見られます。

また、日本銀行によるRPAの勉強会において使用された資料(第1回「デジタルレイバー(RPA)」)を見ると、RPAの導入が進む背景として「労働生産性の国際比較」データが示されています(資料10ページ)。

RPAの場合は人手不足や業務効率化を解決する手段として導入されるケースも多いので、このような関連データの活用も有用です。なお、同資料には金融業界の視点からRPAに関して紹介されている部分もあるので、興味のある方はぜひご覧ください。

今回のコラムではRPAに関する調査データを紹介してきました。各企業でRPAの導入背景や解決したい課題は異なり、すぐに使えるデータばかりではないかもしれませんが、読者の皆さんが作成する稟議書や企画書の説得力を高めるために、少しでも貢献できれば幸いです。

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