RPAコラム

銀行業務の救世主として本格導入が進むRPA

2019.04.04

銀行業務の救世主として活躍するRPA

今回のコラムでは金融機関、特に銀行を中心にRPAの活用を見ていきたいと思います。

銀行といえば重厚長大なレガシーシステムを手堅く利用しているというイメージがありますが、長期におよぶ低金利や人口減少などの収益構造の変化、さらには人材不足などを背景に、AIやFinTechなど業務を高度化するため、積極的に先進的なITやデジタル技術を活用する様子も数多く見られます。

RPAに関しても、業務改革や働き方改革の一環として、大手都市銀行だけでなく地域銀行においても、すでに活用の取り組みが開始されています。

銀行の内部業務は多くの人手をかけて行われる作業が多く、RPAによる自動化とは相性が良いと言われます。また、画面上での操作を自動化するのであれば、既存の基幹システムへの改修などが不要な場合も多いため、働き方改革の一環として活用が進むケースも多いようです。

では実際に、銀行におけるRPAの活用例について見ていきましょう。

銀行におけるRPAの実践例・実証実験例

それでは、実際に銀行でどのようにRPAが活用されているのか。実践例や実証実験例を見ていきましょう(順不同)。なお、あらかじめ断っておきますが、ここで紹介する例は銀行や各種メディアなどで公表している資料などを参考にまとめたものとなりますので、内容などが現状と異なる場合もありますのでご了承ください。

百五銀行

百五銀行では働き方改革推進の一環として、銀行全体としての労働生産性を高めるためデスクワークを代行・自動化するためにRPAを利用しています。本部事務のうち「格付自己査定業務」「投資信託集計報告業務」の2業務において事前検証を行い、格付自己査定業務においては年間1,283時間の削減効果が確認されました。引き続き、業務部門主導で業務の自動化率向上へと継続的に取り組んでいく予定となっています。

福岡銀行

福岡銀行では、業務プロセス見直しの一環と位置づけてRPAの活用を検討。試行段階では小規模な案件からロボット化を進め、「当局宛て報告業務」や「信用情報照会業務」など27業務56ロボットを作成しました。その結果、「当局宛て報告業務」では年間約12時間の作業時間削減、「信用情報照会業務」ではパートタイマー3名分に相当する年間約3,600時間の作業時間削減に成功。今後は、バックオフィス業務の見直しや受付時点からのデジタル化などにもRPAを適用していく予定です。

広島銀行

広島銀行ではRPAを働き方改革の重要施策の一環として、「人件費削減による事務コスト削減」をはじめ、「ミスをしない品質向上」や「24時間365日の高付加価値業務シフトによる生産性の向上」を目指し、営業店・センター業務の効率化に向けて取り組んでいます。RPAの本格展開にあたっては、適用範囲を業務全般へと拡大し、スピーディーかつ低コストでロボットを作成するための体制構築・維持、さらには想定リスクの事前抽出、ガバナンス・運営ルールの明確化などを実施していくとしています。

七十七銀行

七十七銀行では、これまで人手で行っていた反復的に発生する定型業務や、データの入力・検索・集計および照合業務等のうち、一部について、RPA化を検討。試用の結果、業務の自動化や時間短縮などの一定の成果を確認することができたため本格導入を進めていくといいます。

山陰合同銀行

山陰合同銀行では「預金調査各種照会取得業務」や「月例定型業務」など、自動化による時間短縮効果が見込めると判断した11業務についてRPAを試用。年間3,600時間の時間削減効果について確認しました。人手を要していた行内事務を自動化することで、働き方改革の実現や人材の最適配置につなげるべく、業務自動化の範囲をさらに広げていくとしています。

三菱UFJ信託銀行

三菱UFJ信託銀行では、RPAの本格活用により、既存の業務を徹底的に自動化することで、劇的に生産性を向上していくことを目指しています。これまでシステム対応ができなかった業務やシステムの本格構築をせずに業務の効率化を図るためにRPAを利用。顧客のシステムから自社システムへとデータを受け付ける際の行内の「システム間接続」や、住宅ローンの団体信用生命保険申込書の点検を効率化する作業などをパイロットプロジェクトとしてRPA化。事務センターにおける住宅ローンの団体信用生命保険申込書の点検業務においては、従来、約10名のチームで日次と月次の作業を行っていたものが約3名で行えるようになったといいます。

今後、国内では、三菱UFJ フィナンシャル・グループ傘下の各社(証券等)へと、RPAのノウハウを共有すると同時に、海外グループ企業にもRPA を展開するための体制作りを進めています。

みずほフィナンシャルグループ

みずほフィナンシャルグループでは、対象業務を「行内のバックオフィス業務」に定め、「職員の働き方改革」のツールとしてRPAを導入。表計算ソフトのマクロのように、各現場が自分の責任範疇で自由にRPAを使いこなし、業務の効率化を図ることを目指しているといいます。

信金中央金庫

信金中央金庫では、「預金調査業務」や「投信窓販関連業務」においてRPAを採用。年間、約670時間の削減が実現できることが検証されました。その結果を受け、事務部門とシステム部門を主体としたRPAの推進・管理体制を構築し、全社展開に向けた取り組みを開始しています。

WinActorが銀行で選ばれる理由

最近では、クレジットカード会社や生命保険会社など銀行以外の金融機関におけるRPAの実践例も、数多く見られるようになってきました。今後も、さらにRPAの活用が広がることは間違いないでしょう。

なお、今回紹介した事例では、その半数以上でWinActorが採用されています。なぜ、WinActorが採用されている理由を探ってみると、おおよそ下記の4つのポイントが採用理由の共通項として見受けられました。

  • 純国産ツールとして、日本語環境に完全に対応しており、日本企業の業務に適している。
  • ユーザービリティが優れているので、導入や利用の敷居が低い。
  • シナリオの内製化が容易なので、ユーザー部門が主体で活用できる。
  • サポート体制が充実している。

これらの項目に加え、ガバナンスやセキュリティにといった要件に関しても、各銀行のポリシーをクリアしているからこそ採用されていることは間違いなく、WinActorは金融機関以外の業種でも安心して導入できるツールであることを再認識しました。

一方、このような各銀行の取り組みで共通していたのは、RPAの導入は業務を効率化するための手段であり、目的ではないということでした。あくまでも目指しているのは、余裕ができたリソースを高い接客レベルや創造性が求められる業務へと振り向け、生産性や業務品質を向上させるねらいとなっています。

日本ワムネットにおいても金融機関を対象としたRPA導入の支援が可能です。RPAの導入や活用に関してぜひ、ご相談いただければと思います。

導入に関するお問合せ

WinActor導入に関するご質問、お問合せは以下で承っております。
疑問点などがございましたら、お気軽にお問合せ下さい。