RPAコラム

RPAの導入・活用時のリスクについて考える。

2019.04.18

RPAの導入・活用時のリスクについて考える。

野良ロボットだけではない、RPA導入・活用時のリスク

RPAを活用する際のリスクとして、“野良ロボット”という言葉を目にする機会も多いかと思います。ここでは野良ロボットの詳細な説明は省略しますが、正式に管理されていないロボット、まさに野良状態のロボットを示す言葉で、ITガバナンスの視点からもその存在や潜在リスクについて問題視されています。

今回のコラムでは、「業務停止」「情報漏えい」「非効率業務のブラックボックス化」といった野良ロボット以外のリスクと、その対策について考えてみたいと思います。

RPA導入・活用時のリスクとその対策

業務停止リスク

ロボットが正常に稼働しなければ正しく作業が行われず、誤った処理が実行されてしまい、業務がストップしてしまうことがあります。その要因としては、RPA自体に起因するケースと外的要因により発生するケースが考えられます。

まず、RPAそのものに起因するケースとしては、シナリオ自体に不備がある場合があります。そのような状況を避けるためには、シナリオの動作を繰り返し確認したり、エラー発生時の処理をしっかり設定しておくことは当然ですが、PCへの負荷やメッセージ通知などのコントロールも重要となります。

RPAでは複数のアプリケーションやWebブラウザを並行して処理するケースが多く、繰り返してシナリオを実行する際にPCの性能が低いと、スムーズに処理が進まなくなってしまう場合もあります。そのため、一定の負荷がかかってもパフォーマンスが落ちないよう、余裕を持った仕様にしておく必要があります。

また、メッセージやチャットの受信、アップデート処理の通知などがシナリオの実行中に表示されると処理が中断してしまう場合もあります。毎日のように表示される通知であれば気がつきやすいのですが、数か月に一度だけ表示される通知もありますので注意が必要です。

このようなトラブルに関しては、自社で対応するのも可能ですが、大きなトラブルにつながる前に対処するためにも、経験者からアドバイスを受けるのが有効でしょう。

一方、シナリオやPC環境に問題がなくても、外的要因すなわちOSのアップデートやアプリケーション、クラウドサービス、Webサイトの表記や仕様の変更などの影響を受けることもあります。

OSや社内で運用しているアプリケーションなどはガバナンスという視点からも管理・運用体制を整備することが求められます。自社でコントロールができないクラウドサービスやWebサイトに関しては、アップデートや更新の情報を漏れなく、リアルタイムに把握する体制が必要となるでしょう。

情報漏えいリスク

RPAによる自動化処理を行う際には、特定の権限を持ったユーザーとしてアプリケーションやクラウドサービスにログインしなければならない場合もあります。面倒だからと、ログインしたままの状態で放置してしまったり、シナリオに記載されているIDやパスワードをだれでも簡単に見られる状態にしておけば、不正アクセスや情報漏えいの原因ともなりかねません。

シナリオ内でログアウト処理を行うようにすることはもちろんですが、ロボットには適切なアクセス権を付与して、アクセスログを定期的にチェックするといった運用も必要となります。

非効率業務のブラックボックス化リスク

既存の業務をシナリオにそのまま反映してしまうと、非効率な作業や無駄な処理がそのまま自動化されてしまいます。そのため、RPAを導入する際には業務改革を実施するつもりで、「既存業務の可視化」→「無駄/非効率の排除」→「最適化」→「自動化(シナリオ作成)」という手順で、導入を進めるのが理想です。

回り道をするように見えるかもしれませんが、業務を最適化する際に可視化をしておけば、それはそのままロボットのシナリオへと適用できます。また、可視化により属人化やブラックボックス化のリスクも防ぐことができます。自動化と効率化のシナジー効果によってRPAの導入効果を大きく高めることができるはずです。

リスク対策には、経験やノウハウが豊富な専門家のサポートを

RPAの場合は、複数のアプリケーションやサービスと連携しながら処理を進めることが多いので、カバーしなければならない範囲はおのずと幅広いものとなり、今回紹介したリスク以外にも、細かなリスクを拾い上げていけばきりがありません。

そのため、RPA導入に慣れていなければ、業務停止や情報漏えいといったリスクを完全に解消するのは難しいでしょう。リスクを最小限に抑えるためには、専門家やサポートベンダーのノウハウや知識を積極的に活用しながら、自社内に経験やノウハウを蓄積していく必要があるでしょう。

また、すでに導入・活用を進めてしまっている場合でも、たとえば日本ワムネットの「WinActorリモートサポート(リモサポ)」では、お客様が作成したWinActorのシナリオに対するアドバイスをすることも可能です。

WinActorリモートサポート(リモサポ)

お客様のPCのシナリオを、サポートスタッフが遠隔操作しながらリアルタイムでサポートいたします。

「リモサポ」は手軽に利用いただけるよう、メール、電話、画面共有による対応で、1か月5時間までの定額制サービスとなっており、WinActorのマニュアル記載内容や製品仕様に関する問い合わせなども受け付けています。興味のある方はぜひ、お問い合わせください。

このように、野良ロボット以外にもRPAを導入・活用する際のリスクは存在します。その対策を誤れば、重大な事故にもつながりかねませんし、一度ブラックボックス化や属人化が進んでしまうと、そのような状況から脱却するのは容易なことではありません。RPAのメリットだけに目を奪われず、そのリスクに対しても冷静に向き合い、適切な対策を講じていくことが、RPA活用のあるべき姿なのではないでしょうか。

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