RPAコラム

RPAは働き方改革の進まない人事総務部の救世主となるか。

2019.05.30

RPAは働き方改革の進まない人事総務部の救世主となるか。

人事総務部の働き方改革が進まない理由

働き方改革により技術者や営業担当者の業務効率化や長時間労働の是正が進む一方、働き方改革を担当する人事総務担当者の業務環境の改善は二の次になっているケースも多いのではないでしょうか。そこで今回のコラムでは、RPAを活用した人事総務業務の働き方改革について考えてみたいと思います。

人事総務業務の働き方改革が進まない背景としては、以下のような人事総務業務ならではの特性が深く関係していると考えられます。

人事総務の業務は多岐にわたる

人事総務業務は、人事や組織の戦略立案から、それにともなうさまざまな実務、さらには採用、人材育成、勤怠管理、給与・報酬、福利厚生、安全衛生、労政・労使対応など多岐にわたる。さらに、企業ならではの風土や習慣も根深く関連しているため、システム化が進みにくいとされる。

情報提供を受けないと業務を始められない

各業務は従業員の個人情報や勤怠情報などの提供を受けてから始まる業務が多い。そのため、業務負荷の平準化が難しい。企業によっては紙で情報が提出される業務も多く、データを転記(入力)したり、内容をチェックしたり、内容に不備がある場合に再提出を求めるなど、数多くの手作業が発生する。

期日が決められており特定の期間に集中することが多い

社内の締日や役所などへ書類を提出する期限が決められており、締日に業務の負荷が集中することが多く、期限を守るために残業などをせざるを得ない。

法律や規則に沿って業務を遂行しなければならない

労働基準法や就業規則などに沿うため、特定の担当者に属人化したり、結果優先でブラックボックス化してしまうことも多く、また、法制度の変更などによる処理も発生するため、手作業による処理が多くなりがちである。

どのような人事総務業務がRPAに向いているのか

このような人事総務業務の課題をRPAですべて解決できるわけではありませんが、RPAならではの強みを活用して業務を効率化したり、属人化を排除したりすることが可能です。

たとえば、人事総務の業務は多岐にわたりシステム化が進まないという課題に対して、RPAであれば、従来のシステムのように膨大な時間とコストをかけなくても、小さな範囲の業務や作業を自動化できます。すなわち、自動化の成果が見込める作業からスモールスタートして、段階的に適用範囲を拡大していくという進め方ができます。

また、情報提供を受けないと業務を始められないという課題に対しては、データの収集・加工やシステムへの転記、さらには元データの入力漏れや内容のチェックもRPAで自動化・効率化することが可能です。RPAで自動化した処理を夜間に実行すれば、担当者が夜遅くまで残っている必要はなくなるので、残業時間の削減などの具体的な成果を期待できます。

さらには、業務量の関係から複数の担当者で担っていた業務をRPAで自動化・半自動化することで、業務が集中する締日や期限の直前でも、業無負荷を分散でき、人的リソースを自動化できない業務へと振り向けることができます。

注意点

人事総務業務だけに限った話ではありませんが、RPAを導入する際の注意点としては、やはり自動化する業務の手順のAs-IsモデルとTo-Beモデルを可視化しておくことが重要なポイントとなります。

業務モデルが可視化されていないと、業務のシナリオを設定することも難しく、非効率な業務や誤った業務手順をそのまま自動化してしまうことになりかねません。また、業務が可視化されていなければ、法制度や規則が変わった際のメンテナンスや修正にも大きな手間とコストがかかったり、メンテナンスができなくなってしまうこともあります。

また、IT部門やRPA推進部門が人事総務の業務を細かく理解するのは容易ではないことも多いので、RPAツールを導入したベンダーなどの外部リソースを活用し、業務内容を熟知している人事総務部門が主導でRPAの導入を進め、段階的に自社開発・運用に切り替えていくのが理想的です。

日本ワムネットでは、人事総務部門が主導でもRPAを活用できるよう独自の「WinActorリモートサポート(リモサポ)」メニューを提供しています。リモサポはPC画面を共有しながら、リアルタイムでシナリオ修正の相談や疑問を受け付ける定額制のサービスとなります。

今回は人事労務業務におけるRPAの導入を中心に考えてきましたが、さらに広い視点で見れば、RPAはベテラン担当者が持っているスキルを自動化・標準化することにもつながりますので、スキル伝承問題の解決策の1つとして、大きな突破口となる可能性も持っています。

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