RPAコラム

不動産業務の未来を救うRPA活用のススメ。

2019.08.08

不動産業務の未来を救うRPA活用のススメ。

大きな成果が期待できる事務作業の自動化

国土交通省が取りまとめた「不動産業ビジョン2030(2019年4月24日発表)」によれば、日本の不動産業は重要な基幹産業であり、人口減少やAI・IoTなどの進展など社会経済情勢の急速な変化が見込まれる次の10年においても、成長産業としての発展が期待できると記されています。

一方、増税前の駆け込み需要や「東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会」といった需要が一段落した2020年以降、その大きな反動が来るという見解もあり、その対策を今から実施しておくべきだという意見も見られます。

そこで今回のコラムでは、不動産業務における活用事例を見ながらRPAの可能性について考察します。

事務作業の自動化はRPAにおいて王道中の王道であり、大量の書類やデータを取り扱う不動産業務においては大きな成果を期待できます。

たとえば、6万件におよぶ管理物件の貸出業務を担っている企業では、年間で1万件以上の新規テナント契約が発生していますが、以前は仲介会社からFAXで送付されてくるテナント賃貸の申込情報を管理システムへ手作業で入力。その後、契約書を作成するため、管理システムの画面を見ながら基幹システムへと情報を転記していました。

RPAを導入することで管理システムからCSVファイルを出力し、基幹システムへ転記するという一連の作業を自動化。基幹システムへの改修や機能追加をすることなく、人手による転記作業をなくし、業務量に左右されず計画的に業務作業を実施できる環境を実現しました。

また、日本全国に直営店およびフランチャイズ加盟店を展開する賃貸住宅仲介グループでは、各店舗において空き室が発生した際、その情報を基幹システムに登録していました。

同作業には1店舗あたり平均で1日8時間をついやしていましたが、作業工程の約半分にRPAを適用したところ、約40%の業務効率化が見込め、入力の正確性も向上したとされています。

さらに大きな規模の事例として、9万戸以上の賃貸住宅を運用・管理する企業では、年間約2割の入居者の入れ替わりが発生し、大量の契約・解約に関する基幹システムへの入力作業が発生していました。

RPAを導入し、基幹システムへのデータ入力や契約書類をアップロードする作業など、70件以上の業務を自動化しました。その結果、業務量の大幅な削減に加え、繁忙期と閑散期の作業負荷の差異を抑制することにもつながったといいます。

事務作業以外にも幅広い作業で活用されるRPA

入力作業以外にも、不動産業において作業を自動化した事例は数多く見られます。

大手マンション管理会社では、エレベーター点検や植栽の手入れなどを協力会社に依頼する際の連絡業務にRPAを導入しました。

連絡用帳票のPDFを社内システムからダウンロードしてメールに添付する作業や、同システム上の記録をもとにMicrosoft Excelのマクロで作成するメール本文の転記作業を自動化しています。

その結果、全国の約数千の組合から受託する業務が効率化され、年間2,000時間以上の削減効果が期待されるといいます。

そのほか、RPAは入金の消し込み作業や契約更新の手続きなど、賃貸業務の管理業務を自動化することも可能だとされており、対象者を抽出して指定の処理を実行するといった業務を自動化することで、業務の属人化や停止のリスクを回避することができます。

RPAを活用することで、情報収集業務を自動化する事例も見られます。

たとえば、物件情報サイトの物件情報を毎日で収集し、新着物件・売り止め物件・物件価格更新をチェック。リスト化して営業スタッフに対して情報提供するという業務を自動化。毎日2時間かけていた作業が30分以下で作業を完了できるようになったという事例もあります。

駐車場運営会社では、自社運営する駐車場の周辺駐車場の定期料金調査業務にRPAを適用。導入前は複数名で手分けして行っていた作業が一人のスタッフで対応可能となり、作業時間も1回あたり数時間から数分へと大幅に短縮されたといいます。

中小企業こそRPAの活用を

書類やデータの取り扱いが多い不動産業においては、入力作業やチェック作業が多くなり、そのような定型業務が自動化するだけで、業務の効率化や省人化といった成果が見込めます。また、データの収集や集計、リスト化といった作業においても自動化が進めば、人的リソースをより付加価値の高い業務へと振り向け、戦略的な活用が可能になります。

RPAは一般的なシステム構築より廉価・短期に導入できることも多く、既存システムの改修が不要で現有のIT資産をそのまま活用できます。そのため、中小企業でも現場主導で導入や活用を進め、成果を上げている例も少なくありません。

日本ワムネットでは、国内No.1のRPAであるWinActorの活用をリモート(遠隔操作)で支援する「WinActorリモートサポート」サービスを提供。不動産業をはじめとした中小企業におけるRPAの活用を支援しています。

導入前の疑問や相談にも応じていますので、RPAやWinActorの導入や活用に悩んでいる方がいれば、お気軽にお問い合わせください。

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