RPAコラム

食品業界を救うRPA活用のススメ。

2020.01.08

食品業界を救うRPA活用のススメ。

労働力不足を背景に深刻な課題に直面する食品業界

2019年10月1日から実施された消費増税。低所得者対策として、飲食料品(外食除く)の税率は据え置かれました。そのため、増税による影響は最小限にとどまり、全体的には売り上げも順調に推移していると言われる国内の食品業界。一方、人口減少などを背景としたさまざまな課題を抱えています。

たとえば、人口減少を長期的に捉えれば市場規模の縮小につながっていきます。また、短期的には労働者不足によるコスト向上をはじめ、原材料費や流通コストの高騰といった影響にともない、すでに一般生活者にも影響がおよびはじめています。

加えて、安全対策や環境対策はもちろん、オーガニック認証やハラル認証への対応など、品質改善・向上に対するコストや工数の増加も大きな負担となっています。

このような状況を背景に、ここ数年、食品関連企業における業務プロセスの改革や業務効率化の取り組みが活性化してきました。

そこで、今回のコラムでは、RPAによる業務の効率化・自動化に取り組む食品関連企業の事例を紹介します。

食品業界におけるRPAの活用事例6選

食品関連商社

医薬品原料をはじめ、機能性食品・化粧品原料、食品原料などを手がける食品専門商社では、システム間のデータ連携などの業務をRPAで自動化しました。従来も基幹システムや販売管理システムなどのデータ連携処理を処理するプログラム(約200本)を開発・利用してきましたが、人手で対応している作業も残っていたため、RPAを導入するにいたったといいます。さらに、情報収集や請求書の集計処理といったシンプルな業務から、値引き申請の情報を基幹システムへと登録するといった業務なども自動化しています。

一定の工数や専門の知識を必要とするプログラム開発や、属人化・システムに依存しやすいマクロ処理などと比べて、専門知識がなくても活用できるRPAを高く評価しています。

ロジスティクス事業

グループ企業の製造する食品を中心に保管・輸送事業を担う企業では、RPAの本格利用を開始した初年度には、約2万時間に相当する業務のRPA化を達成。次年度には、約18万時間の業務のRPA化をめざしているといいます。

同社では労働力不足をはじめ、取り扱い物流量の増加や細分化などにより、従業員一人当たりの業務負担量が増加傾向にあり、その改善(労働時間削減など)と、人的リソースをより付加価値の高い業務へとシフトする取り組みの一環としてRPAを導入。定型業務の省力化や業務プロセスの標準化に取り組んでいます。

食品流通業

食品の流通事業を手がける卸売企業では、1,000社におよぶメーカーとの取引がある中で、紙の請求書の照合作業を人海戦術で対応していました。RPAとOCRを導入することで同業務を省力化しています。

成果としては、作業のスピードアップと負担軽減を実現しています。同作業は外部に委託するとコスト負担が大きく、従来は自社内で対応せざるを得なかったといいます。

今回は、「児童手当の新規受付業務」「ふるさと納税の処理業務」「予防接種の管理業務」を対象に実証実験を実施したということです。

食品製造業

食品製造会社では、卸先先(約50社分)のサイトからPOSデータをダウンロードする定型業務をRPAで自動化しました。サイトごとにアクセス方法や条件設定方法が異なるため、これまでは1社あたりの作業時間に20分間を要していましたが、約5分間で処理できるようになったといいます(対応時間70%削減)

調味料・調味食品製造業

調味料・調味食品を製造する企業では、WebEDIのデータ受信作業をRPAで自動化。手作業で行っていた受注処理をロボットに任せることで、業務量が増加しても対応できる体制を整えました。

将来的には、人事や総務、経理部門、マーケティングの分野をはじめ、データセンターにおけるBCP対策などにも利用を検討しているといいます。

インスタント食品加工業

インスタント食品を中心とした食品加工会社では、業務部門が主体となって社内でRPAツールを導入。13業務で合計約900時間の作業時間の短縮に成功したといいます。

同社では、生産性向上はあくまで結果に過ぎないとし、モチベーションや作業方法、作業時間などにもしっかり目を向けた結果だと捉えています。RPAの導入によって、業務プロセスが分解・可視化され、ムリ、ムダ、ムラを発見できた点なども高く評価しています。

食品業界のサプライチェーン全体を豊富な経験と技術力でサポート

一言で食品業界と言っても、サプライチェーン全体を見ると領域は広く、第一次産業から食品製造・加工、さらには外食産業など多岐にわたります。また、流通業や小売業、EC、配送なども密接に関連しています。

そのため、RPAを活用するだけですぐに食品業界すべての課題や問題を解決できる訳ではありません。しかし、業務自動化による効率化や省力化はもちろん、RPAの導入を機会に業務プロセスの見直しや改善を継続していく体制を整え、業務の最適化や品質の向上に取り組む様子も見られました。

日本ワムネットでは、これまで培ってきてきた多種多様な業界・業務における経験やノウハウと、RPAの専門部隊による技術力や提案力により、食品業界の幅広いニーズへと対応できることができます。ご興味をお持ちの方は弊社までお気軽にお問い合わせください。

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