RPAコラム

手書き帳票の転記業務を救うAI-OCRとRPA活用のススメ。

2020.01.16

手書き帳票の転記業務を救うAI-OCRとRPA活用のススメ。

約1割の国内法人がAI-OCRをすでに導入

今回は、OCR(Optical Character Recognition/Reader、光学的文字認識)とRPAに関して最新のソリューションを紹介します。

日本の歴史的コンピュータとその開発に携わった人々に関する史料を集めた『IPSJコンピュータ博物館』(一般社団法人 情報処理学会。http://museum.ipsj.or.jp/computer/ocr/0001.html)によれば、汎用として初の国産OCRが発表されたのは1968年(昭和43年)。同年には、世界で初めて自由手書きの数字(郵便番号)を認識する機能が実用化されたと紹介されています。

その後、ほぼ半世紀が経過し、これまでOCRが苦手としてきた漢字、そして漢字やかな、カタカナ、英数字などの混在環境においても高速かつ高精度、そして従来に比べて安価に処理が可能なAI-OCR(人工知能を活用した手書き文字認識)への注目が高まっています。

AI-OCRに関しては、『国内法人のAI-OCR導入実態調査(2019年6月実施)』(2019年07月30日、MM総研。https://www.m2ri.jp/news/detail.html?id=363)によれば、AI-OCRを導入している国内法人は全体の9.6%ながらも、半数以上の企業が「利用に関心がある」と回答。業種別では、卸売業・小売業や製造業、官公庁といった大量の手書き帳票が発生する業種で、強い導入意向がみられたとされています。

また、同調査のリリース文にはRPAとの連携に関して、「AI-OCRはロボットを使った業務プロセスの自動化RPAと連動することで、オフィスのデータ入力作業の生産性向上につながるとして注目されている」と記載されています。

AI-OCRとRPAの連携が注目される理由

では、なぜ今、AI-OCRとRPAとの連携が注目されているのか。その背景には、人工知能によるOCRの精度向上と、基幹システムとRPAとの相性の良さが大きく関係していると考えられます。

まずOCRの精度向上に関して、これまでも手書き書類をOCRでデジタル化するソリューションは数多く存在してきました。しかし、読み取るデータや処理する内容にもよりますが、従来のOCRには精度や処理速度に課題があり、(1)書類をスキャンして、(2)デジタル化されたデータを人手で確認したり修正をしたり、さらに(3)そのデータを基幹システムなどに登録する、という段階的な作業や管理の手間と比較すると、帳票をそのまま人手でシステムへと入力してしまった方が作業効率が良いと判断される場面も少なくありませんでした。

一方、基幹システムとRPAとの相性という点に関しては、基幹システムに一切、手を加えずに作業を自動化できるのが重要なポイントとなります。一般企業はもとより、手書きの帳票類を数多く取り扱う金融機関や官公庁などの基幹システムは重厚長大で、内部統制等への対応も求められることから、改修や機能追加というのは容易ではありません。そのため、一部の業務や部署のためだけに、外部からデータを取り込むといった機能を付け加えるのはハードルが高かったのです。

しかし、OCRの精度が向上したことで人手による確認・修正作業が簡略化され、RPAによってPC画面上の操作を自動化するだけで手書き帳票を自動で基幹システムへと登録できるようになれば、手書き帳票を大量に取り扱う企業や、受付窓口での対応スピードや対応品質の向上が求められる企業や官公庁にとっては、とても魅力的なソリューションとなります。人手不足の解消や働き方改革にもつながるといった期待も寄せられています。

No.1同士の組み合わせで手書き帳票の取り扱いを効率化

それでは最後に、日本ワムネットが提供するAI-OCRとRPAとの組み合わせによるソリューションについてご紹介します。

弊社では、これまでもRPA国内シェアNo.1の「WinActor」を中心に、企業の規模や業種を問わず、RPAソリューションを提供してきました。

加えて、高精度な文字認識を可能とする業界実績No.1のAI-OCRソリューション「DX Suite」を組み合わせた、手書き帳票を取り扱う業務の一元的な効率化を提案しています。

DX Suiteは、独自開発の手書き文字認識AIを搭載しており、従来のOCRでは読み取りが困難であった手書き書類や、読み取り時にズレや罫線などを含んだ画像についても、高精度に認識することが可能です。また、収集した文字の特徴をディープラーニングすることで、使えば使うほど精度が向上し、分散コンピューティングによる高速処理も実現しています。

AI-OCRとRPAの導入に関して、まだ本格的な活用例が少ない現状では、AIもRPAも未経験で、専門家もノウハウも社内にはないという企業が多いと思います。そのような場合でも、日本ワムネットは導入のコンサルから、シナリオ作成のサポートやトレーニング、運用サポートまでをトータルで支援する体制を整えています。ご興味をお持ちの方はお気軽に、弊社までお気軽にお問い合わせください。

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