RPAコラム

RPAの導入。どの部門が主導で導入する?人材はどう確保する?

2019.08.29

RPAの導入。どの部門が主導で導入する?人材はどう確保する?

どの部門が主導でRPAを導入するのが良いのか

RPAを導入する際、大企業では組織的に導入を進められますが、中小企業ではエンドユーザー部門がイニシアティブを握るのか、IT部門がイニシアティブを握るのか、それとも経営層がイニシアティブを握るのかで、それぞれメリット・デメリットが顕著に表れる傾向があるのではないでしょうか。

たとえばエンドユーザー部門が主導する場合、現場の課題や非効率な作業の解消、言い換えれば“今困っていること”の自動化を優先的に進める傾向があるので、上手くいけば短期的に成果を出しやすいというメリットがあります。一方、シナリオの設定や野良RPAへの対応、セキュリティなど、導入・運用・管理などに関するエンジニアリング面で不安は残ります。

IT部門が主導の場合は、エンジニアリング面での課題は大きな問題とならないかもしれませんが、業務内容や作業手順をユーザー部門と上手く共有できず、シナリオが複雑化したり、導入後に大幅な手戻りが必要になったりして、その結果、RPAの活用がスムーズに進まないというケースも見られます。

そして経営層が主導する場合、導入の決断は早く、長期的な視点で業務の“あるべき姿”を追究しやすいというメリットがあります。しかし、業務改革や人材不足の解消手段としての効果も期待されることが多いため、業務の変革にともなう“痛み”が発生して現場から反発を受けたり、エンドユーザー部門とIT部門と経営部門の3者間での調整に手間取ったりすることもあるようで、短期的に成果を出すのが難しいという側面もあるようです。

RPA人材をどう確保するのか

さらに、まだ国内ではRPAの市場が立ち上がったばかりなので、経験豊富な人材を確保することは容易ではなく、中小企業がRPA導入を導入する際の障壁となっている場合もあります。実際、人材サービス会社が公表しているデータなどを見ても、RPAに関する募集は急増しており、人材の取り合いとなっている状況も見受けられます。

そのような状況下で、どのようにRPA人材を確保すればいいのか。もちろん、RPA人材を育てるという手段もありますが、時間もかかりますし、その人材が一定の期間、研修などで業務を離れ、その後もRPAの導入・運用などに手間や時間を取られてしまうことを考えると、簡単なことではないでしょう。

ほかに人材の確保はあきらめ、RPAベンダーに任せてしまう方法もあります。経験豊富なベンダーや業務理解力の高いベンダーからの支援を受けることができれば、RPAの導入はスムーズにいくでしょう。

しかし、従来の情報システムと同様にベンダーへの依存性が高くなると、ちょっとした変更や追加にも都度、コストや時間がかかり、市場や顧客ニーズ、業務に関連する制度変更などへ迅速かつ迅速に対応するのが難しいというデメリットも考えられます。

一方、社内での対応を優先するのであれば、人材派遣などのサービスを利用する方法もあります。ただし、ベンダーに頼る以上に属人化してしまい、依存度が高くなってしまうこともあり、社内にノウハウを残すのが難しく、派遣される担当者が変わると運用やシナリオに関する一貫性を保つのが難しいという側面もあります。

中小企業におけるRPA導入の勝ちパターン

ではいったい、どの部署がイニシアティブを握り、RPA人材をどのように確保すれば良いのか。弊社の見解では、ユーザー部門が中心となり、初期導入時にはRPAベンダーを活用し、中長期的に社内での自社運用をめざすというのが、中小企業における“勝ちパターン”ではないかと考えています。

まず、中小企業においては即戦力たるRPA人材を確保するのが難しい状況ですので、初期導入時はRPAベンダーのノウハウやエンジニアをフル活用して、早期に導入の成果を上げることをめざすべきだと考えます。

中長期的な成果も重要ですが、RPAは導入に成功すれば、作業時間の短縮や業務負荷の軽減など、すぐに成果が出やすいソリューションです。結果が出れば、活用を継続する予算や意欲を生み出しやすくなります。

ただし、中長期的に社内でRPAの運用ができるよう、導入に合わせてユーザー部門内にRPA人材(できれば複数)を育成することが必須となります。導入サポートベンダーに実際に普段関わっている業務に合わせたトレーニングをしてもらうことで、担当者の心理的なハードルを下げることができ、スムーズに業務とRPA運用の連携を図ることができます。

そのためには、単に使い方のマニュアルを提供するようなサポートベンダーではなく、運用を引き継ぐためのトレーニングをしてもらえるベンダーを選ぶことも重要であり、そのような要望に対して協力的かどうかも見極める必要があるでしょう。加えて、ベンダー選びという点委関しては、RPAに限ったことではありませんが、ITソリューションは時代の流れとともにダイナミックに進化・変化していきますので、最新の情報や動向をキャッチするためにも、長期的に付き合えるベンダーであるかどうかもも重要なポイントです。

弊社においても、このようなお客様の要望へと柔軟に対応できるよう、WinActorのRPA認定技術者およびRPA認定講師から構成されるRPA専門チームを設けて、導入検討の段階から、シナリオの作成、トレーニングまで、トータルでサポートする体制を用意しています。

また、お客様が社内運用を行う際も、1か月5時間までの定額制サービスとして利用できる「WinActorリモートサポート(リモサポ)」を提供しており、メール、電話、画面共有により、WinActorのマニュアル記載内容や製品仕様に関する問い合わせのほか、お客様が作成したWinActorのシナリオに対するアドバイスなども提供しています。

企業によってRPA活用のポイントや対応可能な体制は異なるでしょう。しかし、ユーザー部門が主導となり、初期導入時にRPAベンダーを活用し、中長期的に社内での自社運用をめざすというスタイルは、弊社のお客様においても数多くの成果を上げています。活用事例のインタビューも公開していますので、ぜひ、ご覧いただければと思います。

弊社がサポートしたWinActorの活用事例

株式会社ティーガイア様

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