RPAコラム

失敗に学ぶRPA活用のススメ。

2019.10.10

失敗に学ぶRPA活用のススメ。

失敗には学ぶべき情報が詰まっている

RPAの普及が進み、当コラムでもさまざまな業種や業務に関する成功事例を取り上げてきました。その一方、残念ながらRPAの導入・活用に失敗するケースも少なくないのが現状です。

RPAの失敗例というと管理されていない「野良ロボット」について取り上げられることも少なくありませんが、最近では野良というレベルではなく「犯罪ロボット」を紛れ込ませて、顧客情報や機密情報を盗むといった不正にRPAが利用されるという例も見られます。

成功事例と比べ、失敗事例は取り上げられる企業にとっても都合の良くない話なので、メディアなどを通じて目にする機会は少ないのが現状ですが、失敗には学ぶべきたくさんの情報が詰まっています。

そこで、今回は、想定される失敗例を見ながら、RPAの導入・活用を成功させるポイントについて考えてみたいと思います。

なお、RPAの導入や活用に失敗するリスクに関しては、「RPAの導入・活用時のリスクについて考える。」でもまとめていますので、今回のコラムと合わせてご覧いただければと存じます。

最悪の場合、自動化する前に戻さざるを得ないことも

では、実際のRPAの導入・活用に失敗するパターンとその原因を見ていきましょう。

まず、RPAを導入した当初は順調に稼働していたロボットが時間の経過につれて上手く動かなくなり、誤作動するようになったり、停止したりするようになることがあります。

その原因としては、連携するシステムや稼働環境の変化が主な原因として考えられるのですが、機能や仕様を最初から固めてしまうと、このような状況が発生した際に柔軟かつ迅速に対応するのが難しい場合があります。

また、業務のAs-Isモデルで自動化を進めたため、To-Be業務モデルへの移行の際にロボットが足かせとなり、自動化した作業に関わる業務の業務改革が遅れてしまったり、To-Beモデルに対応したロボットを再構築しなければならなかったりすることもあるようです。

これは、自動化(効率化)が先か、業務改革が先かという鶏と卵のような話でもあるのですが。RPAの導入を何度も経験しているのであればいざ知らず、はじめてRPAを導入するのと同時に業務改革を進めるというのは、たやすいことではないことは容易に想像できます。

どちらのケースでも、シナリオやロボットの作成を外部のベンダーへと任せっきりにしている場合は、改修に必要な時間やコストが予想以上にかかり、RPAの活用が進まない、広がらないといったことになりかねません。最悪の場合、自動化する前のオペレーションに戻さざるを得ない状況へと追い込まれることも考えられます。

失敗を失敗にしないための発想の転換

では、このような失敗や不正をどのように回避していけば良いのか。IT部門へ依頼したり、専任の担当者を設けて運用管理体制を強化するという策はもちろん必要かもしれませんが、発想を転換して、あらかじめトラブル(失敗)は発生するものだという前提で、トラブルが発生したとき迅速にリカバリできる体制を構築するのが、RPAの運用に向いていると筆者は考えています。

すなわち、シナリオの設計に時間をかけ、詳細を固めてから実際のロボットの作成や検証に取りかかる、いわゆるウォーターフォール型と呼ばれる従来の当たり前としてきた運用では、業務や業務環境の変化に柔軟かつ迅速に対応できません。

アジャイル型と呼ばれる短いサイクルで仕様の変更やシナリオの修正を繰り返しながら、スピード優先で運用をし、失敗してもすぐに取り返せる体制を構築することが、失敗による影響を最小限に抑え、大きなトラブルの回避につながると考えます。

お客様自身が運用できる基盤づくりとトラブル時の緊急対応を支援

では、どのようにアジャイル型の運用体制を実現すれば良いのか。

外部のサポートベンダーに開発や運用を任せるとなると、ウォーターフォール型の運用になってしまうので、社内に、できれば実際にRPAを活用する業務部門内にシナリオの作成からRPAの設定・検証ができる体制を構築する必要があります。

もちろん、業務部門がそのような体制を自主的に構築するのは容易なことではありませんが、日本ワムネットでは、そのような体制を段階的に実現するため、WinActorの導入支援だけでなく、WinActor公認インストラクターによるトレーニングや、定額制でリモートサポートを利用いただけるソリューションを提供しています。

WinActor公認インストラクターによるトレーニングは、業務に役立つ決められたメニューのトレーニングを実施することで、お客様自身がアジャイル型でRPAを作成、運用できる基盤づくりを支援します。

また、日本ワムネット独自の「リモートサポート(リモサポ)」は、リモートで画面を共有しながら、WinActorのシナリオに対するアドバイスを提供するソリューションとなっています。お客様自身がオリジナルで作成したシナリオであっても対応可能です。1か月5時間までの定額制サービスなので緊急なシナリオの修正などにも柔軟に対応します。

RPAの運用を専門のベンダーに任せるのも1つの手段ですが、どうしても旧来のウォーターフォール型の運用になってしまい、対応は後手となってしまいます。お客様自身がRPAを運用できるアジャイル型の運用体制を実現することで、RPAの導入効果と活用の幅を広げることができるのではないでしょうか。

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